「最後の預言者バプテスマのヨハネ」 マタイの福音書11章7~12節
綾 康輔 牧師
先週に引き続き、バプテスマのヨハネが登場します。しかし、今までがバプテスマのヨハネが、後に来られるお方であるイエスキリストを証言していた事に対して、今回はその逆でイエスキリストが、バプテスマのヨハネの事を証言すると言う立場として記録されています。
そして、その証言の仕方は独特な方法で語られました。まず「女から生まれた者の中で、バプテスマのヨハネよりすぐれた人は出ませんでした。」と、ヨハネを褒めた上で、次は「天の御国の一番小さい者でも、彼より偉大です。」と天の御国を更に高く評価されたのです。この様な方法で、最後の預言者としてのバプテスマのヨハネを評価すると共に、天の御国の偉大さを強調されたのです。この様な事を考えると、私達が神様の御支配の中にある時に、「御国を経験出来る」事の素晴らしさを覚えるのです。
更にイエス様は天の御国を強調された後で、「天の御国は激しく攻められています。そして、激しく攻める者たちがそれを奪い取っています。」と語られました。これは、「天の御国」が略奪の対象になっていると言う事ではなく、最後の預言者として語られて来たバプテスマのヨハネ以降、新約時代に入り「天の御国」が更に多くの異邦人、取税人、遊女、犯罪人達にまで開かれている事、またそこに入る事を求める者達が多く起こされている事を示しているのです。私達もその恵みによって、天の御国の市民とされたのです。(要旨)